Nature ハイライト

量子物理学:効率の高い量子リンク

Nature 558, 7709

ダイヤモンド中の電子スピンを用いた量子インターネットのイメージ画像。
ダイヤモンド中の電子スピンを用いた量子インターネットのイメージ画像。 | 拡大する

Credit: TU Delft/Scixel

いくつかのノードを特徴とする大規模量子ネットワークにおいて、ノード間にエンタングルメントが生成される速度は、ネットワーク内のノイズおよび損失などの要因によって決定されるデコヒーレンス速度より速くなければならない。これまで、1以上の量子リンク効率(デコヒーレンス速度に対するエンタングルメント生成速度の比として定義される)の達成は、固体プラットフォームでは困難であることが示されていた。今回R Hansonたちは、2 m離れた2つのダイヤモンドスピンキュービットノードを用いた実験において、十分に1を超えるリンク効率を実現したことを報告している。今回の実証は、エンタングルメントリソースのロバストな保護を組み合わせた伝令付き単一光子エンタングルメント生成プロトコルに依存している。著者たちが達成したリンク効率によって、設定された時間に遠隔の固体ノード間でエンタングルメントを決定論的に伝送することが可能になる。従って、今回の成果は、量子ネットワークの拡張への有望な一歩である。

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