Nature ハイライト
量子物理学:効率の高い量子リンク
Nature 558, 7709
いくつかのノードを特徴とする大規模量子ネットワークにおいて、ノード間にエンタングルメントが生成される速度は、ネットワーク内のノイズおよび損失などの要因によって決定されるデコヒーレンス速度より速くなければならない。これまで、1以上の量子リンク効率(デコヒーレンス速度に対するエンタングルメント生成速度の比として定義される)の達成は、固体プラットフォームでは困難であることが示されていた。今回R Hansonたちは、2 m離れた2つのダイヤモンドスピンキュービットノードを用いた実験において、十分に1を超えるリンク効率を実現したことを報告している。今回の実証は、エンタングルメントリソースのロバストな保護を組み合わせた伝令付き単一光子エンタングルメント生成プロトコルに依存している。著者たちが達成したリンク効率によって、設定された時間に遠隔の固体ノード間でエンタングルメントを決定論的に伝送することが可能になる。従って、今回の成果は、量子ネットワークの拡張への有望な一歩である。
2018年6月14日号の Nature ハイライト
微生物生態学:ヨーロッパの外生菌根菌多様性の駆動要因を明らかにする
生化学:ヒトリボソームサブユニットの集合過程を可視化
構造生物学:LRRC8Aの構造
量子物理学:決定論的な量子エンタングルメント
量子物理学:効率の高い量子リンク
古生物学:小惑星衝突地点での生命の急速な回復
神経科学:記憶エングラムには安定なものと動的なものがある
心血管疾患:酸化型LDLの阻害はアテローム性動脈硬化を防ぐ
腫瘍免疫学:CD19標的CAR T細胞療法ではTET2の破壊が抗腫瘍活性を誘発する
生物物理学:酵素の進化機構としての動的アロステリー