Nature ハイライト

生物物理学:酵素の進化機構としての動的アロステリー

Nature 558, 7709

生物に不可欠な酵素の極端な温度への適応に関連するアミノ酸配列変化は、奇妙なことに、基質結合部位や触媒部位から離れた、酵素表面の遠位部位で見つかることが多い。今回、V Hilserたちは、細菌のアデニル酸キナーゼのこのような遠位部位にエントロピーを変化させる変異を導入することで、タンパク質の動態に基づいたアロステリックな微調整機構の存在を明らかにした。また、基質親和性や酵素の代謝回転といった重要なパラメーターが空間的に分離していることも明らかになった。動的なアロステリー、つまりアロステリック効果は、酵素の基本的な定常状態の構造を変えることなくその生物学的機能を微調整できる一般的な進化機構であると、著者たちは考えている。

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