Nature ハイライト
植物科学:ストリゴラクトン認識は複雑な過程である
Nature 563, 7733
ストリゴラクトンとして知られているホルモン群は、植物の地上構造や植物と菌類の共生関係など、植物の生理学的性質のさまざまな面を調節している。分子レベルでは、ストリゴラクトンはその受容体D14により認識され、D14はストリゴラクトンの代謝を行う加水分解酵素活性も持っている。D14が活性を発揮するには、Fボックスタンパク質D3と結合する必要がある。D14–D3複合体は、シュート分枝を阻害する際には、ストリゴラクトンを感知するだけでなく、D53をユビキチン化して分解する。D53はさまざまな発生過程を調節する転写リプレッサーで、ストリゴラクトンシグナル伝達の標的遺伝子でもある。N Zhengたちは今回、これらのタンパク質によるストリゴラクトン感知機構について調べ、D3のC末端にある柔軟なαヘリックスが重要な役割を持つことを見いだしている。このヘリックスは関与型と離脱型のコンホメーションを切り替えることができ、これがD14の酵素活性の複雑な調節を可能にしている。
2018年11月29日号の Nature ハイライト
アルツハイマー病:ニューロンにおける体細胞遺伝子組換え
機能ゲノミクス:二本鎖切断の修復結果を予測する
植物科学:ストリゴラクトン認識は複雑な過程である
天体物理学:クエーサーの中心部を見る
量子物理学:音響の量子制御
気候科学:海洋と大気の経路によって南極大陸へ伝わった北半球の気候の急激な変化
古人類学:ネアンデルタール人の生活はそれほど過酷ではなかった
発生生物学:外有毛細胞と内有毛細胞の分化
発生生物学:Heliosは聴覚に必要である
微生物学:MRSAはグリカンを変化させて免疫を回避する
がん:マンノースで腫瘍増殖を抑える