Nature ハイライト
核物理学:固体キセノン中のバリウム原子を見つける
Nature 569, 7755
ニュートリノなし二重β崩壊などの過程の探索では、検出した信号から偽の寄与、すなわちバックグラウンドを除去できることが何よりも重要である。例えば、nEXOニュートリノなし二重β崩壊実験は、キセノンの二重β崩壊で生じるバリウム原子を同定、つまり「標識付け」して、この種の望ましくないバックグラウンドを説明することを目指している。今回nEXOコラボレーションのC Chambersたちは、固体キセノン中の個々のバリウム原子の撮像に成功したことを報告している。これを達成するには、固体マトリックス中のバリウムの分光学の完全な理解が必要であった。実際に、この方法はレーザー誘起蛍光に基づいている。今回の結果は、固体希ガス元素中の単一原子を撮像できることの初めての実証であり、nEXOなどの素粒子物理学の実験における標識付けの技術の開発に情報を与えるものである。
2019年5月9日号の Nature ハイライト
核物理学:固体キセノン中のバリウム原子を見つける
ナノテクノロジー:脳に着想を得た光コンピューティング
地球水文学:人為的な河川系の改変によって劇的に減少した自由に流れる河川の数
幹細胞:骨髄環境を単一細胞レベルで特徴付ける
神経科学:熱産生脂肪組織の神経支配機構
電池:グラファイトインターカレーションカソードの大容量化
肥満:農村部と都市部での肥満の比較
分子生物学:液–液相分離の制御因子
がん:乳がんにおいて細胞極性とがん代謝を結び付ける
分子神経科学:プロトカドヘリンを介したニューロンの自己認識機構
構造生物学:分子レベルでの不眠症治療薬の設計