Nature ハイライト

がん:乳がんにおいて細胞極性とがん代謝を結び付ける

Nature 569, 7755

LLGL2は細胞極性の確立に関与している。齊藤康弘(慶應義塾大学先端生命科学研究所ほか)たちは今回、LLGL2ががん代謝でも役割を担っていることを明らかにしている。LLGL2は一部の乳がんで過剰発現しており、そのようながんで、ロイシン輸送体SLC7A5および膜融合の調節因子YKT6と三量体複合体を形成して、ロイシンの取り込みを増加させることにより、腫瘍の増殖および栄養ストレスへの抵抗性を促進している。この機構は乳がん細胞にタモキシフェンに対する抵抗性を付与する。従って、LLGL2の発現を低下させることで乳がん細胞はタモキシフェンに感受性になる。

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