Nature ハイライト
がん:乳がんにおいて細胞極性とがん代謝を結び付ける
Nature 569, 7755
LLGL2は細胞極性の確立に関与している。齊藤康弘(慶應義塾大学先端生命科学研究所ほか)たちは今回、LLGL2ががん代謝でも役割を担っていることを明らかにしている。LLGL2は一部の乳がんで過剰発現しており、そのようながんで、ロイシン輸送体SLC7A5および膜融合の調節因子YKT6と三量体複合体を形成して、ロイシンの取り込みを増加させることにより、腫瘍の増殖および栄養ストレスへの抵抗性を促進している。この機構は乳がん細胞にタモキシフェンに対する抵抗性を付与する。従って、LLGL2の発現を低下させることで乳がん細胞はタモキシフェンに感受性になる。
2019年5月9日号の Nature ハイライト
核物理学:固体キセノン中のバリウム原子を見つける
ナノテクノロジー:脳に着想を得た光コンピューティング
地球水文学:人為的な河川系の改変によって劇的に減少した自由に流れる河川の数
幹細胞:骨髄環境を単一細胞レベルで特徴付ける
神経科学:熱産生脂肪組織の神経支配機構
電池:グラファイトインターカレーションカソードの大容量化
肥満:農村部と都市部での肥満の比較
分子生物学:液–液相分離の制御因子
がん:乳がんにおいて細胞極性とがん代謝を結び付ける
分子神経科学:プロトカドヘリンを介したニューロンの自己認識機構
構造生物学:分子レベルでの不眠症治療薬の設計