Nature ハイライト

構造生物学:分子レベルでの不眠症治療薬の設計

Nature 569, 7755

メラトニンは松果体でセロトニンから作られるホルモンで、睡眠–覚醒サイクルの制御を助けている。今回V Cherezovたちは、メラトニンの標的であるMT1受容体とMT2受容体について、メラトニン類似体や不眠症治療薬と複合体を形成した状態の構造をX線自由電子レーザー結晶構造解析により明らかにしている。これらの構造から、セロトニン受容体との相当な違いが判明し、MT1受容体およびMT2受容体へのリガンドの進入は共に、脂質二重層につながる狭い通路を介して起こることが分かった。また、MT2受容体には細胞外部に向いた開口部があることも分かった。これらの構造は、睡眠障害の治療薬だけでなく、がんや2型糖尿病の治療薬を設計する際の基盤となるだろう。

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