Nature ハイライト
肥満:農村部と都市部での肥満の比較
Nature 569, 7755
ボディーマス指数(BMI)は多くの国で、都市に住む人口の割合の変化とともに上昇してきた。こうした状況によって、都市の生活様式が肥満の世界的な増加の主要な駆動要因であるという見方が生じた。M Ezzatiたちは今回、世界各地の1億人を超す成人のBMIに関して、居住地を農村部と都市部とに分けた1985~2017年のデータでその傾向を分析している。その結果、支配的なパラダイムとは対照的に、BMI平均値の世界的な上昇の大部分は、特に一部の低所得地域および中所得地域では、農村地域集団のBMI上昇に起因しており、農村部のBMI上昇速度は都市部の住民のものと同等またはそれ以上であることが分かった。著者たちは、貧しい国々の農村部では、低栄養という不利な状況を、より一般的な栄養不良というまた別の不利な状況で置き換えてしまわないよう、栄養およびインフラストラクチャーの不均衡に対してさらに注意を払うことが必要だと述べている。
2019年5月9日号の Nature ハイライト
核物理学:固体キセノン中のバリウム原子を見つける
ナノテクノロジー:脳に着想を得た光コンピューティング
地球水文学:人為的な河川系の改変によって劇的に減少した自由に流れる河川の数
幹細胞:骨髄環境を単一細胞レベルで特徴付ける
神経科学:熱産生脂肪組織の神経支配機構
電池:グラファイトインターカレーションカソードの大容量化
肥満:農村部と都市部での肥満の比較
分子生物学:液–液相分離の制御因子
がん:乳がんにおいて細胞極性とがん代謝を結び付ける
分子神経科学:プロトカドヘリンを介したニューロンの自己認識機構
構造生物学:分子レベルでの不眠症治療薬の設計