Nature ハイライト
分子生物学:DNAの損傷がヌクレオソームをこっそり滑らせる
Nature 571, 7763
真核生物では、DNAがヒストンタンパク質八量体の周りに巻き付いてヌクレオソームを形成することによって、その凝縮が円滑に進み、安定性が高まる。DNAの損傷はゲノムのあらゆる場所に起こるが、DNAがヌクレオソーム構造中にある場合に、修復タンパク質が損傷部位を認識して接近する仕組みは不明である。N Thomäたちは今回、DNA修復因子であるUV損傷DNA結合タンパク質(UV-DDB)について、さまざまなDNA損傷に結合した場合の構造を解明した。それによって、「外側」に面した損傷はヌクレオソームをゆがめることなく容易に認識されるが、ヒストン側に向いた損傷の場合はヌクレオソームの位置を並行移動によってずらし、損傷を露出させてから結合することが分かった。
2019年7月4日号の Nature ハイライト
進化発生生物学:アロメトリーではなく産卵生態と関連付けられた昆虫の卵のサイズ
分子生物学:DNAの損傷がヌクレオソームをこっそり滑らせる
物性物理学:グラフェンにおけるスピン–軌道結合に基づくトポロジカル相
工学:励起子によるシリコン太陽電池の効率の向上
計算材料科学:行間を読む
生態学:鳥類の侵入に対する環境的制約
発生生物学:水圧が胚の発生を支配する?
幹細胞:血液幹細胞の増殖
免疫学:性器ヘルペスウイルス感染における防御機構
腫瘍生物学:UDPグルコースは腫瘍抑制性代謝物である