Nature ハイライト
計算材料科学:行間を読む
Nature 571, 7763
最近の「機械学習」や「人工知能」による材料発見方法のブームは、多くの場合、膨大な数値データを含むことが多い構造化された特性データベースによって支えられている。しかし、もちろん文献には、単なるデータ点や数字以上のものが含まれている。今回V Tshitoyan、A Jain、G Cederたちは、文献中の単語間の暗黙のつながりや関係性を利用することによっても、新材料を発見できる可能性があると主張している。著者たちは、出版された材料科学論文300万編のアブストラクトを取得し、これに自然言語処理アルゴリズムを適用することで、単語間の関係、材料組成、材料特性を(明白なものもあまり明白でないものも含めて)明らかにした。著者たちはまた、材料組成を「熱電」という単語に投射することで新しい熱電材料候補を予測するとともに、最新の「最高性能」材料を予測するだけの十分な情報が、その材料が実際に発見される数年前の文献中に存在したことも示している。
2019年7月4日号の Nature ハイライト
進化発生生物学:アロメトリーではなく産卵生態と関連付けられた昆虫の卵のサイズ
分子生物学:DNAの損傷がヌクレオソームをこっそり滑らせる
物性物理学:グラフェンにおけるスピン–軌道結合に基づくトポロジカル相
工学:励起子によるシリコン太陽電池の効率の向上
計算材料科学:行間を読む
生態学:鳥類の侵入に対する環境的制約
発生生物学:水圧が胚の発生を支配する?
幹細胞:血液幹細胞の増殖
免疫学:性器ヘルペスウイルス感染における防御機構
腫瘍生物学:UDPグルコースは腫瘍抑制性代謝物である