Nature ハイライト
腫瘍生物学:UDPグルコースは腫瘍抑制性代謝物である
Nature 571, 7763
今回、EGFシグナル伝達が代謝物であるUDPグルコースを減少させることが報告されている。これによってRNA結合タンパク質HuRのRNA結合ドメインへのUDPグルコースの結合が減少して、HuRによるSNAI1 mRNAの安定性の減弱が阻害される。その結果、SNAIL発現が増加して腫瘍細胞の移動や肺がんの転移が促進される。従って、発がん性シグナル伝達がない状態では、UDPグルコースは腫瘍抑制性の代謝物として働いているといえる。
2019年7月4日号の Nature ハイライト
進化発生生物学:アロメトリーではなく産卵生態と関連付けられた昆虫の卵のサイズ
分子生物学:DNAの損傷がヌクレオソームをこっそり滑らせる
物性物理学:グラフェンにおけるスピン–軌道結合に基づくトポロジカル相
工学:励起子によるシリコン太陽電池の効率の向上
計算材料科学:行間を読む
生態学:鳥類の侵入に対する環境的制約
発生生物学:水圧が胚の発生を支配する?
幹細胞:血液幹細胞の増殖
免疫学:性器ヘルペスウイルス感染における防御機構
腫瘍生物学:UDPグルコースは腫瘍抑制性代謝物である