Nature ハイライト
工学:励起子によるシリコン太陽電池の効率の向上
Nature 571, 7763
典型的な太陽電池では、吸収されるおのおのの光子に対して、多くても一対の電子–正孔対(励起子)しか生成できない。高エネルギー光子によって生成された「一重項」励起子を、2個の「三重項」励起子へと変換できる、一重項励起子分裂という分子過程が存在する。この過程を太陽電池に利用できれば、太陽電池のエネルギー変換効率を大幅に向上できる可能性がある。今回M EinzingerとM Baldoたちが、この方向での重要な一歩となる成果を報告している。彼らは、分子発色団の層において一重項励起子分裂によって生成される三重項励起子が効率よくシリコンプラットフォームへ移動するように、適切に不動態化したシリコン基板と分子層を結合させることで、典型的な太陽電池構成を使って三重項励起子を利用できる方法を示した。
2019年7月4日号の Nature ハイライト
進化発生生物学:アロメトリーではなく産卵生態と関連付けられた昆虫の卵のサイズ
分子生物学:DNAの損傷がヌクレオソームをこっそり滑らせる
物性物理学:グラフェンにおけるスピン–軌道結合に基づくトポロジカル相
工学:励起子によるシリコン太陽電池の効率の向上
計算材料科学:行間を読む
生態学:鳥類の侵入に対する環境的制約
発生生物学:水圧が胚の発生を支配する?
幹細胞:血液幹細胞の増殖
免疫学:性器ヘルペスウイルス感染における防御機構
腫瘍生物学:UDPグルコースは腫瘍抑制性代謝物である