Nature ハイライト
幹細胞:血液幹細胞の増殖
Nature 571, 7763
造血幹細胞は、骨髄から単離して血液再生の研究に利用でき、また臨床使用も可能で、移植によって血液疾患やがんを根治できる。しかし、造血幹細胞をin vitroで増殖させて研究に用いることは非常に難しく、移植に適合するドナーは不足しており、現状では、有害となり得る放射線照射処置を移植前に行う必要がある。中内啓光(米国スタンフォード大学ほか)たちは今回、マウスとヒトの血液幹細胞の培養条件を体系的に最適化して、複数のサイトカインと、ポリビニルアルコールを含む培地成分の組み合わせで、血液幹細胞の500倍以上の増殖を達成できることを見いだした。さらに、この培養後の血液幹細胞は、マウスで放射線照射なしに生着できる。
2019年7月4日号の Nature ハイライト
進化発生生物学:アロメトリーではなく産卵生態と関連付けられた昆虫の卵のサイズ
分子生物学:DNAの損傷がヌクレオソームをこっそり滑らせる
物性物理学:グラフェンにおけるスピン–軌道結合に基づくトポロジカル相
工学:励起子によるシリコン太陽電池の効率の向上
計算材料科学:行間を読む
生態学:鳥類の侵入に対する環境的制約
発生生物学:水圧が胚の発生を支配する?
幹細胞:血液幹細胞の増殖
免疫学:性器ヘルペスウイルス感染における防御機構
腫瘍生物学:UDPグルコースは腫瘍抑制性代謝物である