第11回 内・外環境と生物応答
- 環境変化への適用メカニズムとP450
第11回目となる Nature Café は、チトクロムP450発見50周年を記念して、「環境変化への適用メカニズムとP450」を取り上げます。
チトクロムP450はバクテリアから植物、動物まで広く生物界に存在するヘムタンパク質の一種で、近年のゲノムプロジェクトによりそれぞれの生物は多数のP450遺伝子を持つことが明らかになってきました。
多様化したP450分子種は外環境からの刺激に応答し、生体の内環境の調節と恒常性の維持など、多彩な役割を果たすことで生物の進化を支えてきました。
今回の Nature Café では、P450の発見者である大村恒雄九州大学名誉教授と、行動進化学を専門とする長谷川眞理子総合研究大学院大学教授をパネリストに迎え、P450の遺伝子進化と生物進化を議論したいと思います。
日時/開催場所
第11回 内・外環境と生物応答 ~ 環境変化への適用メカニズムとP450
2012年12月3日(月)15:00~17:00(受付開始:14:30)
懇親会:17:10~18:00
参加申込
参加費:無料
申込み締め切り:2012年11月20日 午後18:00
パネリスト
長谷川 眞理子 (はせがわ まりこ)
総合研究大学院大学教授
1952年 東京生まれ。
1976年 東京大学理学部生物学科卒業。
1983年 東京大学大学院理学系研究科退学 理学博士。
1983年 東京大学理学部生物学科助手。
1990年 専修大学法学部助教授。
1996年 専修大学法学部教授。
2000年 早稲田大学政治経済学部教授。
2006年 総合研究大学院大学教授。
2011年 総合研究大学院大学先導科学研究科研究科長。
この間、日本学術会議連携会員、九州大学大学院運営諮問会議委員、内閣府総合科学技術会議総合科学技術会議専門委員など。
講演:「環境適応と行動進化」
生物の進化は分類学との関係において、形態の進化(多様性)をもとに語られてきたが、一方で形態や神経系・脳機能の進化は外環境への適応戦略として行動様式の進化(多様化)を可能とした。生物進化における行動進化という新たな視点を提示する。
大村 恒雄 (おおむら つねお)
九州大学名誉教授
1930年 静岡市生まれ。
1953年 東京大学理学部化学科卒業。
1961年 理学博士。
1953年 静岡大学文理学部助手。
1960年 大阪大学蛋白質研究所助教授。
1970年 九州大学理学部生物学科教授。
1986年 九州大学大学院医学系研究科教授。
1994年 九州大学を定年退職。
1995年-1999年 米国Vanderbilt大学医学部客員教授。
1999年-2009年 BBRC Editor。
講演:「P450と生物進化」
1962年に発見されたP450は、薬物の代謝、ステロイドホルモンの合成、化学物質による発癌など、多岐に亘る機能を発揮している。これまでの研究から、生体の内環境の調節と恒常性の維持とともに、新たに生物進化の原動力としてのP450の役割が指摘されつつある。
モデレーター
諸橋 憲一郎(もろはし けんいちろう)
九州大学大学院教授
1957年 福岡県柳川市生まれ。
1981年 九州大学理学部生物学科卒業。
1986年 九州大学大学院理学研究科修了、理学博士。
1986年 九州大学理学部助手。
1987年 九州大学大学院医学研究科助手。
1996年 岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所教授。
2007年 九州大学医学研究科教授。