Nature ハイライト
高エネルギー物理学:反物質と暗黒物質の出合い
Nature 575, 7782
暗黒物質とは何だろうか。この質問に答えるため、素粒子物理学や天体物理学で数々の野心的な研究プログラムが進められている。多くの暗黒物質候補の1つがアクシオンである。アクシオンは、スピンを持たない軽いボソンで、元々は量子色力学の強いCP問題を解決するため導入された。アクシオンと光子や電子の間の相互作用の強さの限界は分かっているが、反物質についての同様の情報はない。今回C Smorraたちは、極めて軽いアクシオン型素粒子と反陽子の相互作用を初めて直接的に絞り込んでいる。今回の成果は、他の反粒子との類似した相互作用を探る道を開くものである。
2019年11月14日号の Nature ハイライト
高エネルギー物理学:反物質と暗黒物質の出合い
応用光学:究極のタッチスクリーンか
材料科学:ソフトな人工筋肉によるマイクロロボットの離昇
工学:多くのノズルで簡単に印刷
気候科学:後退する氷河による水力発電の可能性
自己免疫:TLR7とTLR9の応答調節
細胞生物学:ミトコンドリアの恒常性を支える新技
がん:ミトコンドリア機能のin vivo画像化
免疫学:コヒーシンを介する抗体クラススイッチ組換え
分子生物学:クロマチン凝縮の動態
構造生物学:ゲートを通して見えたもの