Nature ハイライト
構造生物学:ゲートを通して見えたもの
Nature 575, 7782
細胞質からミトコンドリアへのタンパク質搬入は、ミトコンドリア生合成に必須である。ミトコンドリア外膜では、TOM複合体がこうしたタンパク質の主な搬入ゲートとして働いている。遠藤斗志也(京都産業大学)たちは今回、クライオ(極低温)電子顕微鏡を用いて、酵母TOM装置の3.8 Å分解能での構造を明らかにしている。この構造および関連して行われた生化学的解析から、TOM複合体の重要な特徴(全ての真核生物で進化的に保存されている)などの多くの情報や、TOM複合体がミトコンドリア膜間腔タンパク質の生合成を仲介する仕組みに関する知見が得られた。
2019年11月14日号の Nature ハイライト
高エネルギー物理学:反物質と暗黒物質の出合い
応用光学:究極のタッチスクリーンか
材料科学:ソフトな人工筋肉によるマイクロロボットの離昇
工学:多くのノズルで簡単に印刷
気候科学:後退する氷河による水力発電の可能性
自己免疫:TLR7とTLR9の応答調節
細胞生物学:ミトコンドリアの恒常性を支える新技
がん:ミトコンドリア機能のin vivo画像化
免疫学:コヒーシンを介する抗体クラススイッチ組換え
分子生物学:クロマチン凝縮の動態
構造生物学:ゲートを通して見えたもの