Nature ハイライト

物性物理学:強磁性トポロジカル絶縁体のヘテロ構造

Nature 576, 7787

トポロジカル絶縁体は、導電性でギャップのない表面状態を特徴とする。こうした二次元状態には磁気秩序が存在するため、ギャップを導入することによって量子異常ホール効果の観測が可能となる。しかし、化学ドーピング、すなわちBi2Te3へのMnのドーピングによるトポロジカル絶縁体の磁性の実現は、論争の的になっている。今回O Raderたちは、Mnをドープすると、Bi2Te3/MnBi2Te4の自己組織化したヘテロ構造が形成され得ることを実証し、磁気ギャップの存在を観測している。ギャップのサイズが大きいため、室温近くでの量子異常ホール効果の観測が期待され、このヘテロ構造によって、アクシオン状態などの磁気トポロジカル相や磁気トポロジカル効果の探索が可能になる。

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