Nature ハイライト
物性物理学:強磁性トポロジカル絶縁体のヘテロ構造
Nature 576, 7787
トポロジカル絶縁体は、導電性でギャップのない表面状態を特徴とする。こうした二次元状態には磁気秩序が存在するため、ギャップを導入することによって量子異常ホール効果の観測が可能となる。しかし、化学ドーピング、すなわちBi2Te3へのMnのドーピングによるトポロジカル絶縁体の磁性の実現は、論争の的になっている。今回O Raderたちは、Mnをドープすると、Bi2Te3/MnBi2Te4の自己組織化したヘテロ構造が形成され得ることを実証し、磁気ギャップの存在を観測している。ギャップのサイズが大きいため、室温近くでの量子異常ホール効果の観測が期待され、このヘテロ構造によって、アクシオン状態などの磁気トポロジカル相や磁気トポロジカル効果の探索が可能になる。
2019年12月19日号の Nature ハイライト
物性物理学:反強磁性トポロジカル絶縁体
物性物理学:強磁性トポロジカル絶縁体のヘテロ構造
ナノスケール材料:水の凍結における臨界核を実験で探る
考古学:最古の狩猟場面か
神経科学:前頭皮質の暗号
創薬:グラム陰性細菌に対する新規合成ペプチド
創薬:BAMを標的として病原菌を殺す
免疫学:腫瘍浸潤CD8 T細胞の維持と抗腫瘍免疫の調節
医学研究:抗腫瘍T細胞の再プログラム化
細胞シグナル伝達:KRASはヘキソキナーゼ1を介してがん細胞の代謝を促進する
構造生物学:T型カルシウムチャネルの構造