Nature ハイライト
物性物理学:スピン流を制御する強誘電体的な秩序
Nature 580, 7804
電子デバイスにおける電子スピンの使用は、現在のエレクトロニクスの消費電力を削減できる可能性がある方法の1つである。通常は、強磁性体を用いてスピン流を生成したり検出したりするが、その際必要な磁化スイッチングの過程はエネルギーを多く消費する。今回M Bibesたちは、強誘電体的な状態を用いてスピン流を制御し、必要なスイッチング電力を大きく低減させている。非磁性酸化物のラシュバ界面における電荷流–スピン流変換は、この状態の分極方向によって決定される。今回の結果は、エネルギー効率の良い再構成可能なスピン–軌道トルクメモリーや論理ゲートの実現につながる可能性がある。
2020年4月23日号の Nature ハイライト
天文学:遠く離れた連星系からの接触連星小惑星の形成
ナノスケール材料:二次元における電子相関の光学分光測定
物性物理学:スピン流を制御する強誘電体的な秩序
生態学:生物多様性の気候限界を超える
進化学:現生種を見ても進化の歴史は分からない
考古学:洗っていない土器は歴史に残る
がん:高頻度変異はグリオーマの進行と再発を形作る
がん:間葉系ニッチは腸の腫瘍発生を制御する
生化学:ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼは脂質の生合成を促進する
細胞分裂:時期尚早な姉妹染色分体分離を防ぐための第2の機構
細胞分裂:セパラーゼは有糸分裂にかける最短時間を調節する