Nature ハイライト
細胞分裂:時期尚早な姉妹染色分体分離を防ぐための第2の機構
Nature 580, 7804
有糸分裂では、紡錘体形成チェックポイントが姉妹染色分体の時期尚早な分離を防止している。全ての染色体が有糸分裂紡錘体上に間違いなく整列すると、セパラーゼがコヒーシンを分解することで姉妹染色分体の分離が始まる。セパラーゼの活性はセキュリンによって抑制されている。O Stemmannたちは今回、セキュリンとは無関係にセパラーゼを調節する第2のタンパク質を明らかにしている。shugoshin 2(SGO2)と呼ばれるこのタンパク質は、それ自体が紡錘体チェックポイント因子MAD2によって調節されていて、セキュリンと同じような機能を果たす。染色体が適切に整列すると、セパラーゼがSGO2から解離して、姉妹染色分体の分離が始まる。
2020年4月23日号の Nature ハイライト
天文学:遠く離れた連星系からの接触連星小惑星の形成
ナノスケール材料:二次元における電子相関の光学分光測定
物性物理学:スピン流を制御する強誘電体的な秩序
生態学:生物多様性の気候限界を超える
進化学:現生種を見ても進化の歴史は分からない
考古学:洗っていない土器は歴史に残る
がん:高頻度変異はグリオーマの進行と再発を形作る
がん:間葉系ニッチは腸の腫瘍発生を制御する
生化学:ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼは脂質の生合成を促進する
細胞分裂:時期尚早な姉妹染色分体分離を防ぐための第2の機構
細胞分裂:セパラーゼは有糸分裂にかける最短時間を調節する