Nature ハイライト
Cover Story:分子シリンジ:高分解能構造によって抗菌性のナノマシンの働きが明らかに
Nature 580, 7805
表紙は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)のR型バクテリオシンタンパク質複合体の想像図である。バクテリオシンは、収縮性の分子シリンジで、他の細菌の細胞膜に穴を開けて致死的な一撃を加えることのできる、細菌が産生するナノマシンである。今回H Zhouたちは、緑膿菌のバクテリオシンであるR2ピオシンの収縮前と収縮後の両方の状態の高分解能構造を提示している。今回の結果によって、分子シリンジが機能する仕組みが詳しく示され、R型バクテリオシンを新しいクラスの抗菌剤として開発する方法に関する知見が得られた。
2020年4月30日号の Nature ハイライト
量子物理学:非平衡相転移の量子シミュレーション
物性物理学:トポロジカル反強磁性体の電気的スイッチング
材料化学:ハロゲン化物ペロブスカイトのエピタキシャルヘテロ構造の作製
有機化学:「マジック」メチル基の付加
地球科学:巨大沈み込み地震前の千キロメートルスケールの変形
社会学:持続可能な開発目標の教育関連ターゲット達成に向けた進捗状況
がん遺伝学:正常なヒト子宮内膜の変異全体像
神経免疫学:脳の発達はDNA損傷の適切な監視に依存している
植物科学:微生物相と植物の健康
創薬:数十億もの仮想化合物
分子生物学:パイオニア転写因子群はヌクレオソームを不安定化する