Nature ハイライト
		
		
        
		
		物性物理学:トポロジカル反強磁性体の電気的スイッチング
Nature 580, 7805
物質の電子構造がさまざまなトポロジカルクラスに属し得ることが最近発見されたが、こうしたクラスは、物質の内部が絶縁性であっても導電性の表面状態が存在することなど、従来にない乱れに強い特性を特徴とすることが多い。そうしたトポロジカル物質は、実験によって発見されて以来、多数見いだされている。しかし、技術的な応用への重要な次の一歩を踏み出すには、新たなトポロジカル状態を電気的に操作する必要がある。今回、中辻知(東京大学)たちは、ワイル金属Mn3Snの多結晶薄膜において、室温でのトポロジカル反強磁性状態の電気的スイッチングを実証している。このスイッチングは、従来の強磁性金属で使われているのと同じ磁化反転手法を使って実現されており、スピントロニクスへの応用にトポロジカル磁性体を利用できる可能性を示している。
2020年4月30日号の Nature ハイライト
- 量子物理学:非平衡相転移の量子シミュレーション
- 物性物理学:トポロジカル反強磁性体の電気的スイッチング
- 材料化学:ハロゲン化物ペロブスカイトのエピタキシャルヘテロ構造の作製
- 有機化学:「マジック」メチル基の付加
- 地球科学:巨大沈み込み地震前の千キロメートルスケールの変形
- 社会学:持続可能な開発目標の教育関連ターゲット達成に向けた進捗状況
- がん遺伝学:正常なヒト子宮内膜の変異全体像
- 神経免疫学:脳の発達はDNA損傷の適切な監視に依存している
- 植物科学:微生物相と植物の健康
- 創薬:数十億もの仮想化合物
- 分子生物学:パイオニア転写因子群はヌクレオソームを不安定化する


