Nature ハイライト
創薬:数十億もの仮想化合物
Nature 580, 7805
構造ベースのバーチャルスクリーニングは、膨大な数のバーチャル化合物がタンパク質の構造に対してスクリーニングされるので、薬剤のリード化合物を開発するためのより迅速で費用効率も高い方法として推奨されることが多い。今回G Wagnerたちは、バーチャルスクリーニング用のオープンソース・プラットフォームで、誰にとっても使いやすく、かなり大規模な実験もできるVirtualFlowを開発した。著者たちは14億種の化合物からなるライブラリーを作成し、このプラットフォームによって自動化スクリーニングを行って、初期段階のヒット化合物群を見つけ出し、類似化合物のバーチャル最適化を行った。その結果、KEAP1と転写因子NRF2との間のタンパク質間相互作用を阻害する、構造的に多様な一連の小型分子阻害剤が見つかり、この手法の威力が実証された。
2020年4月30日号の Nature ハイライト
量子物理学:非平衡相転移の量子シミュレーション
物性物理学:トポロジカル反強磁性体の電気的スイッチング
材料化学:ハロゲン化物ペロブスカイトのエピタキシャルヘテロ構造の作製
有機化学:「マジック」メチル基の付加
地球科学:巨大沈み込み地震前の千キロメートルスケールの変形
社会学:持続可能な開発目標の教育関連ターゲット達成に向けた進捗状況
がん遺伝学:正常なヒト子宮内膜の変異全体像
神経免疫学:脳の発達はDNA損傷の適切な監視に依存している
植物科学:微生物相と植物の健康
創薬:数十億もの仮想化合物
分子生物学:パイオニア転写因子群はヌクレオソームを不安定化する