Nature ハイライト
分子生物学:パイオニア転写因子群はヌクレオソームを不安定化する
Nature 580, 7805
多くの転写因子は、ゲノムの開いた領域、つまりクロマチンに詰め込まれていないゲノム領域に結合するが、「パイオニア」転写因子はヌクレオソームを介してクロマチンに結合し、発生の間に発現が抑制されているゲノム領域での転写を開始すると考えられている。今回P Cramerたちは、ヌクレオソームに結合したパイオニア因子SOX2とSOX11のDNA結合ドメインのクライオ電子顕微鏡構造を報告している。これらの構造から、パイオニア因子群がヌクレオソームに巻き付いているDNAを変形させてほどき、クロマチン開放を開始して、その後に起こる転写を促進する仕組みが示された。
2020年4月30日号の Nature ハイライト
量子物理学:非平衡相転移の量子シミュレーション
物性物理学:トポロジカル反強磁性体の電気的スイッチング
材料化学:ハロゲン化物ペロブスカイトのエピタキシャルヘテロ構造の作製
有機化学:「マジック」メチル基の付加
地球科学:巨大沈み込み地震前の千キロメートルスケールの変形
社会学:持続可能な開発目標の教育関連ターゲット達成に向けた進捗状況
がん遺伝学:正常なヒト子宮内膜の変異全体像
神経免疫学:脳の発達はDNA損傷の適切な監視に依存している
植物科学:微生物相と植物の健康
創薬:数十億もの仮想化合物
分子生物学:パイオニア転写因子群はヌクレオソームを不安定化する