Nature ハイライト

量子物理学:非平衡相転移の量子シミュレーション

Nature 580, 7805

熱力学的平衡での物質相間の転移は、よく調べられている豊かな物理学によって記述される。しかし、平衡から外れた相転移については、ほとんど分かっていない。今回A Reyたちは、光共振器中での光とストロンチウム原子集団の相互作用が、原子集団の非平衡相が本質的に動的な量子スピンモデルの動的相転移を調べる柔軟なプラットフォームとなり得ることを実験的に示している。XYスピンモデルをほぼユニタリに実現した系における動的相を、この系のパラメーターの関数として観測した結果から、類似したさまざまなスピン系の物理学に関連する結論が得られた。今回の実験は、共振器量子電気力学系によって非平衡スピン物理学の量子シミュレーションを実行できる可能性を実証している。

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