Nature ハイライト
地球科学:巨大沈み込み地震前の千キロメートルスケールの変形
Nature 580, 7805
今回J Bedfordたちは、マグニチュード8.8の2010年チリ・マウレ地震とマグニチュード9.0の2011年東北沖地震に先行して、4〜8 mmの地表変位の逆転が数千キロメートルにわたって数か月続いていたことを示している。分解能の高い東北沖地震前の一時的な事象の観測結果をモデル化することによって、最初にゆっくりすべりが起こった後、フィリピン海スラブが突然引きずり込まれ、そのあまりの急速さに日本全域にわたって粘弾性反発が起きたことが示された。彼らは、巨大地震が切迫している時期をよりよく理解するには、プレート境界の摩擦過程の進化だけでなく、準安定状態のスラブの急速な高密度化などの、より深部の沈み込み過程が課す力学的な境界条件も考慮する必要があると結論付けている。
2020年4月30日号の Nature ハイライト
量子物理学:非平衡相転移の量子シミュレーション
物性物理学:トポロジカル反強磁性体の電気的スイッチング
材料化学:ハロゲン化物ペロブスカイトのエピタキシャルヘテロ構造の作製
有機化学:「マジック」メチル基の付加
地球科学:巨大沈み込み地震前の千キロメートルスケールの変形
社会学:持続可能な開発目標の教育関連ターゲット達成に向けた進捗状況
がん遺伝学:正常なヒト子宮内膜の変異全体像
神経免疫学:脳の発達はDNA損傷の適切な監視に依存している
植物科学:微生物相と植物の健康
創薬:数十億もの仮想化合物
分子生物学:パイオニア転写因子群はヌクレオソームを不安定化する