Nature ハイライト
Cover Story:制御される幹細胞:腺組織の幹細胞の調節に重要な細胞間のコミュニケーション
Nature 584, 7822
乳腺や前立腺などの腺組織の上皮は、隣接する管腔細胞層と基底細胞層からなっている。発生の際は基底細胞層の幹細胞が両方の細胞層の形成に関与するが、成体になるとこうした幹細胞は多能性を失う。組織が損傷すると、多能性の喪失が逆転することがあり、両方の層の回復に基底細胞が関与できるようになる。今回C Blanpainたちは、基底幹細胞の能力が、TNFタンパク質を分泌する管腔細胞によって直接調節されており、このTNFが基底幹細胞の多能性の抑制因子として機能していることを示している。表紙の画像は、乳腺枝の基底細胞(赤色)と管腔細胞(緑色)を示す。
2020年8月27日号の Nature ハイライト
天文学:うみへび座TW星の磁気圏降着領域
ナノテクノロジー:マイクロ歩行ロボット
化学:通常とは異なる分子の結び目
気候科学:南極の棚氷の融解に起因する破砕に対する広範な脆弱性
生態学:ニューギニアの維管束植物相の、専門家により確認されたチェックリスト
昆虫行動学:ワタリバッタを集合させるもの
神経科学:遺伝子の組み合わせがニューロンのアイデンティティーを定める
創薬:キャプシドを標的とするHIV治療
免疫学:cDC1は抗腫瘍免疫応答におけるCD4+ T細胞のプライミングに重要である
細胞生物学:膜内シャペロン複合体は膜タンパク質のバイオジェネシスを促進する
生化学:リボソームのこれまで近づけなかったプルーフリーディング段階を見る