Nature ハイライト

化学:通常とは異なる分子の結び目

Nature 584, 7822

1本のひもと同じように、分子も、通常は金属イオンと分子鎖の特定の結合部位を用いる鋳型法によって、操作し結び目トポロジーを作ることができる。しかし、こうした方法では鋳型や鎖の構造がトポロジーを決めるため、1分子につき1種類の結び目しか作ることができないことが多い。今回D Leighたちは、用いられる錯体形成金属イオン(銅またはランタノイド)に応じて1つの分子鎖が2つの異なるトポロジーの結び目を形成することを、同じ分子鎖が結び目を形成しない例と共に報告している。加えて、金属イオンの配位の順番とその移動に応じて、鎖の絡み合い領域の位置が別の領域へと移動し、新たな結び目コンホメーションにおけるトポロジカルひずみが増大することが分かった。今回の例では、以前の例よりも動的に結び目が形成されており、これまで考えられていたよりも分子設計(および分子結び目の機能)の自由度が高まる可能性が示唆された。

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