Nature ハイライト
生化学:リボソームのこれまで近づけなかったプルーフリーディング段階を見る
Nature 584, 7822
リボソームによるmRNAの翻訳は、変異タンパク質の発現を防止するため非常に正確でなくてはならない。そのため、リボソームは正しいアミノ酸を結合する必要があり(解読として知られる)、正しくないアミノ酸をタンパク質に組み込まれる前に除去するプルーフリーディング活性が使われている。A Korostelevたちは今回、天然の基質を結合した解読中のリボソームの時間分解構造を明らかにしている。このリボソームには、結合するために運ばれてきた、電荷を持つtRNA(同族、あるいは同族に近い)とEF-Tu•GTPも結合している。著者らちが使った時間分解手法により、3つの選択段階が捉えられた。これらは、これまでは起こることが予測されていただけの段階である。またこの研究により、選択中のEF-Tuが2つの役割を担っていることが明らかになった。
2020年8月27日号の Nature ハイライト
天文学:うみへび座TW星の磁気圏降着領域
ナノテクノロジー:マイクロ歩行ロボット
化学:通常とは異なる分子の結び目
気候科学:南極の棚氷の融解に起因する破砕に対する広範な脆弱性
生態学:ニューギニアの維管束植物相の、専門家により確認されたチェックリスト
昆虫行動学:ワタリバッタを集合させるもの
神経科学:遺伝子の組み合わせがニューロンのアイデンティティーを定める
創薬:キャプシドを標的とするHIV治療
免疫学:cDC1は抗腫瘍免疫応答におけるCD4+ T細胞のプライミングに重要である
細胞生物学:膜内シャペロン複合体は膜タンパク質のバイオジェネシスを促進する
生化学:リボソームのこれまで近づけなかったプルーフリーディング段階を見る