Nature ハイライト
免疫学:cDC1は抗腫瘍免疫応答におけるCD4+ T細胞のプライミングに重要である
Nature 584, 7822
自発的に、あるいは免疫療法で誘導される抗腫瘍応答には、腫瘍抗原特異的なCD8+ T細胞とCD4+ T細胞の両者の働きが必要となる。現在の見解によれば、通常型である1型樹状細胞(cDC1)はCD8+ T細胞をプライミングする一方、cDC2はCD4+ T細胞免疫の誘導を制御する。K Murphyたちは今回、cDC2は可溶性抗原に対するCD4+ T細胞免疫を支配しているが、細胞関連抗原に対するCD4+ T細胞免疫は増強できないことを示している。彼らは、cDC1はCD8+ T細胞だけでなく、CD4+ T細胞についても腫瘍由来抗原に対する直接的なプライミングを行うことを明らかにしている。これらの知見により、腫瘍特異的な免疫を制御する機構に関する現在の理解が進み、cDCを標的とする抗原送達によるがん免疫療法手段の改善につながると期待される。
2020年8月27日号の Nature ハイライト
天文学:うみへび座TW星の磁気圏降着領域
ナノテクノロジー:マイクロ歩行ロボット
化学:通常とは異なる分子の結び目
気候科学:南極の棚氷の融解に起因する破砕に対する広範な脆弱性
生態学:ニューギニアの維管束植物相の、専門家により確認されたチェックリスト
昆虫行動学:ワタリバッタを集合させるもの
神経科学:遺伝子の組み合わせがニューロンのアイデンティティーを定める
創薬:キャプシドを標的とするHIV治療
免疫学:cDC1は抗腫瘍免疫応答におけるCD4+ T細胞のプライミングに重要である
細胞生物学:膜内シャペロン複合体は膜タンパク質のバイオジェネシスを促進する
生化学:リボソームのこれまで近づけなかったプルーフリーディング段階を見る