Nature ハイライト

免疫学:cDC1は抗腫瘍免疫応答におけるCD4+ T細胞のプライミングに重要である

Nature 584, 7822

自発的に、あるいは免疫療法で誘導される抗腫瘍応答には、腫瘍抗原特異的なCD8+ T細胞とCD4+ T細胞の両者の働きが必要となる。現在の見解によれば、通常型である1型樹状細胞(cDC1)はCD8+ T細胞をプライミングする一方、cDC2はCD4+ T細胞免疫の誘導を制御する。K Murphyたちは今回、cDC2は可溶性抗原に対するCD4+ T細胞免疫を支配しているが、細胞関連抗原に対するCD4+ T細胞免疫は増強できないことを示している。彼らは、cDC1はCD8+ T細胞だけでなく、CD4+ T細胞についても腫瘍由来抗原に対する直接的なプライミングを行うことを明らかにしている。これらの知見により、腫瘍特異的な免疫を制御する機構に関する現在の理解が進み、cDCを標的とする抗原送達によるがん免疫療法手段の改善につながると期待される。

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