Nature ハイライト
ナノテクノロジー:マイクロ歩行ロボット
Nature 584, 7822
マイクロエレクトロニクスの分野では、ムーアの法則に基づく50年にわたるスケーリングによって、複雑さ、小ささ、安さの前例のない組み合わせをもたらす、電子システム、磁気システム、光学システムが可能になった。急速に進化するマイクロロボット工学の分野は、こうした進展を利用して、ヒトの視覚の解像限界よりも小さいロボットの開発を目指している。しかし残念なことに、半導体プロセスを用いて集積され、標準的な電子制御信号に応答できるマイクロメートルスケールのアクチュエーターシステムは、まだ得られていない。今回M Miskinたちは、シリコン加工に適合する新種の電圧制御可能な電気化学アクチュエーターを実証している。彼らは、4インチウエハー上に100 μmに満たない歩行ロボットを100万個以上作製して、こうしたロボットの可能性を示している。今回の結果は、肉眼で解像できないほど小型でより複雑な大量生産型機能性ロボットの実現への道筋を示すものである。
2020年8月27日号の Nature ハイライト
天文学:うみへび座TW星の磁気圏降着領域
ナノテクノロジー:マイクロ歩行ロボット
化学:通常とは異なる分子の結び目
気候科学:南極の棚氷の融解に起因する破砕に対する広範な脆弱性
生態学:ニューギニアの維管束植物相の、専門家により確認されたチェックリスト
昆虫行動学:ワタリバッタを集合させるもの
神経科学:遺伝子の組み合わせがニューロンのアイデンティティーを定める
創薬:キャプシドを標的とするHIV治療
免疫学:cDC1は抗腫瘍免疫応答におけるCD4+ T細胞のプライミングに重要である
細胞生物学:膜内シャペロン複合体は膜タンパク質のバイオジェネシスを促進する
生化学:リボソームのこれまで近づけなかったプルーフリーディング段階を見る