Nature ハイライト
ナノスケール材料:三次回路素子を用いた脳型コンピューティング
Nature 585, 7826
ハードウエアに基づく脳型コンピューティングの手法は、生体機能をシミュレートする複雑なトランジスター回路に依存している。これに対し、高次回路素子にはニューロンの多彩な非線形ダイナミクスをより自然に表現できる可能性があるが、三次の複雑さを有する回路素子はまだ実験的に実現されていない。今回S Kumarたちは、三次回路素子を実証し、トランジスターを使わないそうした素子のネットワークによって、ブール演算を実行でき、特定のグラフ問題のアナログ解を見いだし得ることを示している。三次回路素子が実現されたことで、ニューロモルフィック人工知能の実装が可能になるだけでなく、精神疾患などの高次脳機能のモデルを探るプラットフォームが得られる可能性もある。
2020年9月24日号の Nature ハイライト
ナノスケール材料:三次回路素子を用いた脳型コンピューティング
材料科学:自己集合コロイドダイヤモンド
気候科学:森林再生による炭素蓄積速度のマッピング
保全:陸域の生物多様性の減少傾向を反転させる大胆な取り組み
植物生物学:OSCAチャネルと植物の免疫
発生生物学:培養皿でミニ腸を作製
コロナウイルス:非ヒト霊長類におけるCOVID-19治療薬の試験
コロナウイルス:クロロキンはTMPRSS2を発現する細胞ではSARS-CoV-2を阻害しない
免疫学:肝臓–脳–腸神経相関による腸の末梢性制御性T細胞の調節
生物工学:酵母で医薬品工場