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植物生物学:OSCAチャネルと植物の免疫

Nature 585, 7826

植物の葉の表面には、それぞれが1対の孔辺細胞に囲まれた気孔が多数存在する。
植物の葉の表面には、それぞれが1対の孔辺細胞に囲まれた気孔が多数存在する。 | 拡大する

Credit: Ed Reschke / Stone / Getty Images

気孔は葉などの植物組織にある小さな開口部であり、植物は生理的調節のために、あるいは生物ストレスや非生物ストレスに対する応答として気孔を開閉できる。分子レベルでは、PAMP(病原体関連分子パターン)に対する気孔の応答において、孔辺細胞の細胞膜を透過してカルシウムイオン(Ca2+)の急激な流入が起こるが、この過程を調節するCa2+チャネルの正体は不明であった。C Zipfelたちは今回、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)では、Ca2+透過性チャネルOSCA1.3が気孔の閉鎖を制御して、植物の免疫応答の一端を担っていることを明らかにしている。細菌のPAMPであるflg22が認識されると、細胞質のキナーゼBIK1が数分以内にOSCA1.3に結合してこれをリン酸化し、そのチャネル活性を高めることが分かった。この応答は非生物ストレス要因であるアブシジン酸では起こらない。

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