Nature ハイライト
気候科学:森林再生による炭素蓄積速度のマッピング
Nature 585, 7826
高木は成長する際に大気から二酸化炭素を大量に吸収するため、自然林の拡大は気候変動を緩和する最も重要な方法の1つとして広く認識されている。しかし、炭素蓄積速度の不確かさと変動が大きいため、自然林の再生による二酸化炭素除去の可能性の正確な評価は妨げられている。今回S Cook-Pattonたちは、以前の研究で報告された1万3000件以上の測定結果をまとめることで、森林再生の最初の30年間の地上炭素蓄積速度について、分解能が1 kmの全球マップを提示している。このマップによって、炭素蓄積速度には全球で100倍以上の変動があり、これらの炭素蓄積速度が気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によって報告された既定の推定値よりも平均で32%大きく、その生物地理区における変動も8倍あることが示された。このマップは、森林再生政策による気候緩和の可能性を評価する重要なツールになるだろう。
2020年9月24日号の Nature ハイライト
ナノスケール材料:三次回路素子を用いた脳型コンピューティング
材料科学:自己集合コロイドダイヤモンド
気候科学:森林再生による炭素蓄積速度のマッピング
保全:陸域の生物多様性の減少傾向を反転させる大胆な取り組み
植物生物学:OSCAチャネルと植物の免疫
発生生物学:培養皿でミニ腸を作製
コロナウイルス:非ヒト霊長類におけるCOVID-19治療薬の試験
コロナウイルス:クロロキンはTMPRSS2を発現する細胞ではSARS-CoV-2を阻害しない
免疫学:肝臓–脳–腸神経相関による腸の末梢性制御性T細胞の調節
生物工学:酵母で医薬品工場