Nature ハイライト

Cover Story:腸のプロファイル:腸オルガノイドを調べて明らかになった組織再生の機構

Nature 586, 7828

表紙は、マウス成体腸幹細胞から成長させたオルガノイドの画像で、分化した細胞と増殖中の細胞が染色されている。こうしたオルガノイドは、器官の発生や生理学的性質の研究での利用が増えているだけでなく、新薬の試験にも応用されるようになっている。今回P Liberaliたちは、オルガノイドベースのスクリーニングプラットフォームを提示し、これを用いて、腸の再生を促進する化合物を特定している。数十万種のオルガノイドの表現型フィンガープリントを作製することで、細胞の運命と再生に関与する遺伝的相互作用のマッピングが可能になった。著者たちはさらに、腸の内側を覆っている細胞の分化がレチノイン酸シグナル伝達に依存しており、レチノイン酸の細胞受容体を阻害すると腸の再生を改善できることを見いだした。

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