Nature ハイライト
コンピューター科学:ニューロモルフィック・コンピューティングのためのシステム階層案
Nature 586, 7829
ニューロモルフィック・コンピューティングでは、脳から着想を得ることで、標準的なノイマン型コンピューターの従来の制約(互い分離にしたメモリーユニットと処理ユニットの間でのデータの移動を必要とする)から解放されたコンピューティング・アーキテクチャーが得られるとともに、汎用人工知能を開発する有望なプラットフォームが得られる。しかし、チューリング完全性の概念と、ソフトウエアとハードウエアの間に互換性と柔軟性をもたらすノイマン型アーキテクチャーを中心に構築された、十分確立されたコンピューター階層を持つ従来のコンピューティングシステムとは異なり、脳型コンピューティングには今のところ、汎用的なシステム階層がない。今回L Shiたちは、「ニューロモルフィック完全性」という概念を導入して、ニューロモルフィック・コンピューティング向けのシステム階層を提案している。このシステム階層によって、脳型のハードウエア設計とソフトウエア設計の互換性が向上する可能性がある。
2020年10月15日号の Nature ハイライト
天文学:平均赤方偏移1に位置する銀河からのH I 21 cm線放射
コンピューター科学:ニューロモルフィック・コンピューティングのためのシステム階層案
光物理学:量子ドットLEDの明るい未来
生態学:ヒト族進化における東南アジアの環境
神経科学:特定のニューロン集団におけるタンパク質合成が記憶の固定を導く
神経科学:ミクログリアはニューロンの興奮を弱める
微生物生態学:風疹ウイルスの近縁ウイルス
微生物学:免疫進化の物語における細菌のSTING
生化学:STAT3への可逆的な脂質付加によるTH17細胞分化の調節
生化学:不正な結合を壊す