Nature ハイライト
生化学:不正な結合を壊す
Nature 586, 7829
細胞がタンパク質の恒常性を確保するために用いる方法の1つは、二量体化の品質管理(DQC)機構である。このDQC過程によって、タンパク質の間で作られた望ましくない複合体が排除される。DQC装置がタンパク質サブユニット間の不正確な結合を検出する仕組みを調べるために、今回M Rapeたちは細胞のさまざまな過程で機能するBTBタンパク質の間で形成される結合について調べた。得られた構造データから、DQC機構のE3ユビキチンリガーゼであるSCF–FBXL17が、BTBタンパク質の不活性なヘテロ二量体を、その形とドメインの相補性を調べることによって識別することが分かった。こうすることで、不適当な組み合わせの複合体がSCF–FBXL17によってユビキチン化され、分解される。
2020年10月15日号の Nature ハイライト
天文学:平均赤方偏移1に位置する銀河からのH I 21 cm線放射
コンピューター科学:ニューロモルフィック・コンピューティングのためのシステム階層案
光物理学:量子ドットLEDの明るい未来
生態学:ヒト族進化における東南アジアの環境
神経科学:特定のニューロン集団におけるタンパク質合成が記憶の固定を導く
神経科学:ミクログリアはニューロンの興奮を弱める
微生物生態学:風疹ウイルスの近縁ウイルス
微生物学:免疫進化の物語における細菌のSTING
生化学:STAT3への可逆的な脂質付加によるTH17細胞分化の調節
生化学:不正な結合を壊す