Nature ハイライト
神経科学:ミクログリアはニューロンの興奮を弱める
Nature 586, 7829
脳内のミクログリアは、細胞残屑や死にかけているニューロンを除去し、機能していないシナプスを剪定することが知られている。ミクログリアはまた、生存因子の分泌などのさまざまな方法でニューロンを支えている。A Schaeferたちは今回、マウスにおいて、ミクログリアはニューロン活動を抑制することもでき、その結果、行動応答を変えられることを報告している。ニューロン活動の抑制は、神経活動に応じてニューロンから放出される細胞外ATPを感知して異化するミクログリアの能力に依存しており、このATPはミクログリア依存的な様式でアデノシンに変換される。これらの結果から、ニューロンの興奮性を調節している予期外のネガティブフィードバック機構が明らかになり、疾病状態でニューロンの情報処理が破壊され得る仕組みについて、新たな考えがもたらされた。
2020年10月15日号の Nature ハイライト
天文学:平均赤方偏移1に位置する銀河からのH I 21 cm線放射
コンピューター科学:ニューロモルフィック・コンピューティングのためのシステム階層案
光物理学:量子ドットLEDの明るい未来
生態学:ヒト族進化における東南アジアの環境
神経科学:特定のニューロン集団におけるタンパク質合成が記憶の固定を導く
神経科学:ミクログリアはニューロンの興奮を弱める
微生物生態学:風疹ウイルスの近縁ウイルス
微生物学:免疫進化の物語における細菌のSTING
生化学:STAT3への可逆的な脂質付加によるTH17細胞分化の調節
生化学:不正な結合を壊す