Nature ハイライト
無機化学:ゼロ酸化状態のマグネシウム
Nature 592, 7856
sブロック金属は、電気陰性度が低いため極めて酸化されやすい。従って、こうした元素をゼロ酸化状態で単離することは、手ごわい合成課題である。今回S Harderたちは、Mg(0)含有有機金属錯体の初めての例を報告している。この化合物は、直線状の三原子Mg–Mg–Mg核がβ-ジケチミネート配位子によって安定化されたもので、中央のMg原子がゼロ酸化状態となっている。この化合物は、その注目すべき構造に加えて、強い還元性を示すため、豊かな化学反応性が期待され、さらなる研究が必要である。
2021年4月29日号の Nature ハイライト
天体物理学:2つの静穏な銀河からのX線爆発
無機化学:ゼロ酸化状態のマグネシウム
気候科学:海水準上昇に見られる氷河融解の大きな痕跡
地球科学:クラトンのキールが侵食されプリュームによって再クラトン化される過程
進化遺伝学:カモノハシとハリモグラの進化遺伝学
代謝:肝臓でのインスリン感受性の時間を計る
植物科学:オーキシンをリアルタイムで検出する
免疫学:NLRP1活性化の調節
免疫学:NLRP1インフラマソームの活性化機構
微生物学:CO2レベルが高い条件ではTCA回路が逆回転する
がん:サイクリンD分解の主要な調節因子