Nature ハイライト
免疫学:NLRP1活性化の調節
Nature 592, 7856
最近の研究によって、炭疽菌(Bacillus anthracis)の致死因子や赤痢菌(Shigella flexneri)のIpaHによる炎症メディエーターNLRP1の活性化の特徴が明らかにされ、この活性化には、自己切断されたNLRP1のN末端部分のプロテアソームによる分解が必要であることが示された。ジペプチジルペプチダーゼDPP9とその関連酵素であるDPP8は、いずれもNLRP1と相互作用し、静止細胞ではこれらの相互作用がNLRP1の自発的な活性化を抑制している。DPP8/DPP9がNLRP1の活性化を抑制する仕組みは分かっていない。J Chaiたちは今回、構造解析と関連する変異データに基づき、DPP9が2つのNLRP1分子(全長型とC末端型)に非対称な様式で結合することで切断型NLRP1のオリゴマー化を防いでおり、この結合がなければ自発的にオリゴマー化して、インフラマソームの制御されない活性化につながることを示している。
2021年4月29日号の Nature ハイライト
天体物理学:2つの静穏な銀河からのX線爆発
無機化学:ゼロ酸化状態のマグネシウム
気候科学:海水準上昇に見られる氷河融解の大きな痕跡
地球科学:クラトンのキールが侵食されプリュームによって再クラトン化される過程
進化遺伝学:カモノハシとハリモグラの進化遺伝学
代謝:肝臓でのインスリン感受性の時間を計る
植物科学:オーキシンをリアルタイムで検出する
免疫学:NLRP1活性化の調節
免疫学:NLRP1インフラマソームの活性化機構
微生物学:CO2レベルが高い条件ではTCA回路が逆回転する
がん:サイクリンD分解の主要な調節因子