Nature ハイライト
微生物学:CO2レベルが高い条件ではTCA回路が逆回転する
Nature 592, 7856
最近、嫌気性細菌においてトリカルボン酸(TCA)回路が逆回転で機能し得ることが示された。L Steffensたちは今回、好熱性硫黄還元デルタプロテオバクテリアHippea maritimaにおいて、CO2分圧がこの経路の活性に及ぼす影響を調べている。CO2分圧が高いと、H. maritimaは逆回転型TCA回路を使用できるようになることが分かった。これはおそらく、CO2分圧が低い条件では、ピルビン酸シンターゼ反応(アセチルCoAからピルビン酸への還元的カルボキシル化を触媒する)が熱力学的に不利になるためと考えられる。著者たちは、逆回転型TCA回路は、CO2が豊富だった原始大気において機能していた太古のCO2固定経路ではないかと推測している。
2021年4月29日号の Nature ハイライト
天体物理学:2つの静穏な銀河からのX線爆発
無機化学:ゼロ酸化状態のマグネシウム
気候科学:海水準上昇に見られる氷河融解の大きな痕跡
地球科学:クラトンのキールが侵食されプリュームによって再クラトン化される過程
進化遺伝学:カモノハシとハリモグラの進化遺伝学
代謝:肝臓でのインスリン感受性の時間を計る
植物科学:オーキシンをリアルタイムで検出する
免疫学:NLRP1活性化の調節
免疫学:NLRP1インフラマソームの活性化機構
微生物学:CO2レベルが高い条件ではTCA回路が逆回転する
がん:サイクリンD分解の主要な調節因子