Nature ハイライト
気候科学:海水準上昇に見られる氷河融解の大きな痕跡
Nature 592, 7856
氷床の質量損失とそれに伴う海水準上昇の推定には、数多くの手法が用いられている。しかし、こうした手法の多くは氷河のモニタリングには適していない。今回R Hugonnetたちは、2000〜2019年の地球上の全ての氷河の標高変化を記録した膨大なデータを評価している。得られた標高変化から、氷河の質量損失が1年当たり267 ± 16ギガトンであると算出された。これによって、観測された海水準上昇の約4分の1が説明される。質量損失速度には大きな地域差があるものの、全体的には1年当たり約50ギガトン加速していることが見いだされた。重要なのは、この取り組みによって、氷河の質量損失に関わる不確かさが大きく低減したことである。
2021年4月29日号の Nature ハイライト
天体物理学:2つの静穏な銀河からのX線爆発
無機化学:ゼロ酸化状態のマグネシウム
気候科学:海水準上昇に見られる氷河融解の大きな痕跡
地球科学:クラトンのキールが侵食されプリュームによって再クラトン化される過程
進化遺伝学:カモノハシとハリモグラの進化遺伝学
代謝:肝臓でのインスリン感受性の時間を計る
植物科学:オーキシンをリアルタイムで検出する
免疫学:NLRP1活性化の調節
免疫学:NLRP1インフラマソームの活性化機構
微生物学:CO2レベルが高い条件ではTCA回路が逆回転する
がん:サイクリンD分解の主要な調節因子