Nature ハイライト
がん:サイクリンD分解の主要な調節因子
Nature 592, 7856
3種類のサイクリンDタンパク質は重要な細胞周期調節因子であり、がんの発生を促進することがある。これらに関係するキナーゼCDK4とCDK6は、抗がん剤の標的となっている。サイクリンDの発現は、主としてタンパク質の分解段階で調節されているが、ユビキチン化を仲介する重要な因子はまだ不明であった。今回3つのグループ(M Pagano たち、J Sageたち、F Cecconiたち)が、AMBRA1がサイクリンD分解の主要な調節因子であり、E3リガーゼであるキュリン4(CRL4)複合体のアダプターとして機能することを報告している。この役割と一致して、AMBRA1が腫瘍抑制因子として働くことが示された。また、神経発生でのAMBRA1の役割とサイクリンDの分解との結び付きが明らかになり、AMBRA1レベルの低さがCDK4/6阻害薬への抵抗性やがん患者の転帰不良と関連していることも示された。
2021年4月29日号の Nature ハイライト
天体物理学:2つの静穏な銀河からのX線爆発
無機化学:ゼロ酸化状態のマグネシウム
気候科学:海水準上昇に見られる氷河融解の大きな痕跡
地球科学:クラトンのキールが侵食されプリュームによって再クラトン化される過程
進化遺伝学:カモノハシとハリモグラの進化遺伝学
代謝:肝臓でのインスリン感受性の時間を計る
植物科学:オーキシンをリアルタイムで検出する
免疫学:NLRP1活性化の調節
免疫学:NLRP1インフラマソームの活性化機構
微生物学:CO2レベルが高い条件ではTCA回路が逆回転する
がん:サイクリンD分解の主要な調節因子