Nature ハイライト 神経:神経活動とプロテアソーム 2006年6月29日 Nature 441, 7097 細胞内代謝におけるプロテアソームの重要性は、2004年のノーベル賞がユビキチン・プロテアソーム系の研究に与えられたことで広く認められるようになった。今回、その重要な役割の1つであるニューロンのシナプス活動の調節因子としてプロテアソームが働いているようすが、低速度撮影画像で見事にとらえられた。注目されるのは、脱分極が起こるとプロテアソームが樹状突起棘内に移動し、そこに隔離されるようすが観察されたことだ。個々のシナプスタンパク質の細胞内移動は以前から観察されていたが、このように大きな細胞装置が棘へ移動してシナプスを変化させるようすがとらえられたのは初めてで、直感的には考えられないことだろう。プロテアソームは、シナプスではタンパク質をその場で分解するという特別な作業を行っているらしく、離れた場所での老廃物の廃棄処理といういつもの仕事はしていないようだ。 2006年6月29日号の Nature ハイライト 細胞:卵母細胞への近道はない? 宇宙:中性子星の内部 物理:二次元系に確かに存在した相転移 材料:ゲルマニウムに作られた細孔 地球:透水率:万物震動 生態:出入りが大事 神経:神経活動とプロテアソーム 医学:ショウジョウバエのパーキンソン病遺伝子 生化学:リボスイッチを薬の標的に 目次へ戻る