Nature ハイライト 地球:透水率:万物震動 2006年6月29日 Nature 441, 7097 地震の揺れは、人間や建物、景色に見などに明らかな影響を与えるだけでなく、地球の地殻の透水率も変えてしまうことがあるらしい。透水率は地下の流体の動きを支配するため重要な値であるが、長期間にわたって連続して測定されることはほとんどない。南カリフォルニアの井戸の20年間にわたる水位の記録は、地震活動によって透水率が著しく増大することを示している。この期間には7回の地震が起きており、井戸のうちの2つでは、透水率は3倍にもなっていた。このデータは水文学的監視や油層工学、さらには地震の物理学的研究にまで幅広い影響を及ぼす可能性がある。例えば、3倍にも増大する透水率が観測されたことは、石油や天然ガスの貯留層で透水率を意図的に増加させる方法に対するヒントを与えそうだ。 2006年6月29日号の Nature ハイライト 細胞:卵母細胞への近道はない? 宇宙:中性子星の内部 物理:二次元系に確かに存在した相転移 材料:ゲルマニウムに作られた細孔 地球:透水率:万物震動 生態:出入りが大事 神経:神経活動とプロテアソーム 医学:ショウジョウバエのパーキンソン病遺伝子 生化学:リボスイッチを薬の標的に 目次へ戻る