Nature ハイライト 生態:出入りが大事 2006年6月29日 Nature 441, 7097 種の移出・移入のような分散プロセスが生態系の環境劣化にもたらす影響が、アマモと主にそれを食べる甲殻類(この種の草食動物をグレーザーとよぶ)からなる実験的な「メタ群集」で調べられた。この実験では、これまでの研究で一般的に用いられていた閉鎖系ではなく、物理的に分離されてはいるが分散経路によりつながっている動植物群集を用いており、いくつかの意外な結果が得られた。例えば、グレーザーがパッチ(生息区画)間を移動・選択できるようにすると、生物多様性が生態系の生産性に与える影響は減少した。しかし全体的としては、生息地と構成種の両方の多様性を維持することが、生態系サービスを長年にわたって安定化させるという結論が得られた。 2006年6月29日号の Nature ハイライト 細胞:卵母細胞への近道はない? 宇宙:中性子星の内部 物理:二次元系に確かに存在した相転移 材料:ゲルマニウムに作られた細孔 地球:透水率:万物震動 生態:出入りが大事 神経:神経活動とプロテアソーム 医学:ショウジョウバエのパーキンソン病遺伝子 生化学:リボスイッチを薬の標的に 目次へ戻る