Nature ハイライト 細胞:分裂を統治する 2006年7月6日 Nature 442, 7098 すべての真核細胞は、染色体数を減少させて生殖細胞あるいは配偶子を作り出すため細胞分裂、つまり減数分裂を行うことができるが、ほとんどの細胞で減数分裂が開始されることはまずない。そのため、減数分裂の調節に関して、「始め」というだけの単純な指示ではなく、複雑な調節系が発見されたことは意外に思える。この系は、成長中の酵母細胞で産生される減数分裂特異的メッセンジャーRNAはどんなものでも選択的に除去してしまう。これは、あらゆる減数分裂関連遺伝子の不必要な発現に対するフェイルセーフ機構、すなわち誤作動に対する安全装置なのだろう。こうした遺伝子が不必要に発現すれば、「もう1つの」細胞分裂機構である体細胞分裂によって完全な染色体セットをもったまま分裂して増殖する細胞に大混乱を引き起こす可能性があるのだ。 2006年7月6日号の Nature ハイライト 疫学:ナイジェリアの鳥インフルエンザ 工学:結晶のマッピング 免疫:トラブルを探して回る 細胞:分裂を統治する 遺伝:危険な遺産 地球:スローな地震活動 地球:強いところが弱点? 細胞:ヘルペスウイルスの潜伏 細胞:ヒストンコードの解読 目次へ戻る