Nature ハイライト 生物物理:1原子ずつの折りたたみ 2006年7月20日 Nature 442, 7100 これまでタンパク質の折りたたみについては、実験よりも理論による研究のほうがやりやすかった。しかし最近、理論が実験によって確認され始めている。タンパク質はすべてが1回の動きで一気に折りたたまると考えられてきたが、実際には、ランダムに続くダウンヒルフォールディング(downhill folding)とよばれる、段階的過程で徐々に折りたたまったり、ほどけたりするものがある。Sadqiたちは、新規なNMR法を用いて、タンパク質が天然に存在する本来の状態から1原子ずつほどけていくようすを追跡した。この方法により、過去に達成されたよりもずっと分解能の高い結果が得られ、折りたたみがエネルギー地形を滑降(ダウンヒル)する経路をとるファネル型モデルによって最もうまく説明できる統計的な過程であることが確認された。さらに、タンパク質内部の原子相互作用をマッピングすることによって、折りたたみの際の協同性も解明できた。 2006年7月20日号の Nature ハイライト 地球:早期警報 政策:気をつけよう! 宇宙:再生する星 材料:広げられたナノチューブ 粉粒体:ホットな充填 地球:引き裂かれた大陸 遺伝:トウモロコシがメンデルの法則を曲げる仕組み 免疫:KLF2の新しい役割 細胞:目印を外す 生物物理:1原子ずつの折りたたみ 目次へ戻る