Nature ハイライト

Cover Story:半導体のスピントロニクス:原子スケールで のスピン画像化

Nature 442, 7101

トランジスタやダイオードの電子的特性を調整する際には、「ドーパント」として金属が半導体に添加される。新たな研究で個々のドーパントを原子レベルで精密に置換することにより、それらの相互作用がナノメートルスケールで測定された。マンガンをドープした砒化ガリウムで強磁性が見つかったことがきっかけとなり、電子スピン系半導体、つまりスピントロニクスへの関心が急速に高まった。今回の研究では、走査型トンネル顕微鏡を使用して、Mn-Mn相互作用にかかわるGaAsの電子状態が画像化された。強磁性相互作用が結晶方位に強く依存することが明らかになったが、ランダムにドープしたサンプルよりも強磁性転移温度が高い配向構造を成長させることができれば、この特性が活かされるかもしれない。この性質は、記憶や情報処理用の結合量子ビットにもつながる可能性がある[Letter p.436; News and Views p.359]。

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