Nature ハイライト

発生:血管内腔の作り方

Nature 442, 7101

上皮管は、血管系などのさまざまな組織の重要な構成要素である。血管形成阻害剤は抗がん剤として関心を集めており、そのため上皮管(血管系の場合は「内皮管」)は薬理学的にも重要である。これまで内皮管の詳しい形成機構の解明はなかなか進まなかった。しかし今回、生きている(しかも好都合なことに体が透明で体内が見える)ゼブラフィッシュで血管形成のようすが高解像度で微速度撮影され、細胞内の空胞が融合し、次にそれが細胞膜に融合して、血管内腔が形成されることが明らかになった。今回の研究によって、100年前に提唱された内皮管内腔形成の融合モデルがin vivoでやっと確認されたことになり、これ以外のモデルや、空胞融合が細胞培養過程での人為的産物ではないかとする懸念は葬られることになる。

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