Nature ハイライト 宇宙:惑星間塵の窒素量 2006年7月27日 Nature 442, 7101 彗星は、太陽系とほぼ同時期にできた「汚れた雪」のかたまりと考えられている。彗星の氷と星間空間の氷は組成がよく似ていて、どちらも星間空間に起源があることを示しているようにみえる。しかし、明らかな違いもある。彗星では、分子雲に比べて分子状態の窒素(N2)が著しく少ないと考えられている。しかし今回、Maretたちが新しい方法を使って、高密度分子雲中の窒素の存在量を測定した結果、分子状態の窒素ではなく原子状態の窒素が多いことがわかった。この発見で、彗星、隕石、星間塵、分子雲の化学組成の類似性はさらに強まった。窒素の分別作用は、原子のほうが分子よりも大きいので、隕石や星間塵の粒子にみられる同位体比異常も説明できる。 2006年7月27日号の Nature ハイライト 医学:隠れたつながり 宇宙:タイタンにはメタンの雨が降る 宇宙:惑星間塵の窒素量 生化学:反応しやすい原子を落ち着かせる 生態:高温も強い酸性も平気な微生物 免疫:インフルエンザ流行対策を練る 細胞:電流と治癒能力 発生:血管内腔の作り方 目次へ戻る