Nature ハイライト 免疫:インフルエンザ流行対策を練る 2006年7月27日 Nature 442, 7101 今後起こりうるインフルエンザの世界的大流行の疫学に関する数値モデルから、それ1つだけで大流行を抑制できるような「妙薬」は存在しないが、複数の方策を組み合わせれば感染拡大を抑制して多くの生命を救える可能性があることが明らかになった。出入国制限にはあまり大きな効果はなく、また、国内旅行を制限してもその国の中での流行拡大にはほとんど違いが出てこないようである。このモデルによると、英国内での大流行は最初の患者発生から2〜3か月以内にピークに達し、4か月以内に終息すると予測される。また、ワクチンが感染率の低減に大きな効果をもたらすには、世界的な大流行が始まってから2か月以内にワクチンを接種できるようにしておく必要がある。これはつまり、ワクチンに効果を発揮させるには、前もって備蓄しておかねばならないということだ。 2006年7月27日号の Nature ハイライト 医学:隠れたつながり 宇宙:タイタンにはメタンの雨が降る 宇宙:惑星間塵の窒素量 生化学:反応しやすい原子を落ち着かせる 生態:高温も強い酸性も平気な微生物 免疫:インフルエンザ流行対策を練る 細胞:電流と治癒能力 発生:血管内腔の作り方 目次へ戻る